皆さんこんにちは!
奏心、更新担当の中西です!
基礎は地盤に直接座るのではなく、地業(ちぎょう)という“座布団”を介して座ります。ここが波打てば、以降の墨・配筋・型枠・打設が連鎖的にズレる。逆にここがビシッと決まれば、現場は静かに・速く・美しく回る。地味だけど最強のコスパ工程が地業です。ロング版では材料・施工・検査・写真・NG→是正を徹底的に分解します。🔍
1. 砕石(材料・受入・敷均し)
• 粒度:粒度分布が整った粒度調整砕石(例:C-40/RC不可)を採用。細粒分過多は締固め不良の温床。受入でふるい・目視、産地証明を添付。
• 含水比:乾き過ぎ→粉立ち・締まらない、濡れ過ぎ→押し出し。散水or日干しで“ちょうどいい”を作る。
• 敷均し:薄層多回数が鉄則。端部はオーバーラン気味に敷き、縁の痩せを防止。隅角はタンパー当てで浮きを殺す。
2. 転圧(機械・回数・確認)🚜
• 機械:平板・前後進・振動ローラーの使い分け。支持地盤が柔らかい時は“転圧で掘らない”よう重量と振動を抑える。
• 層厚と回数:1層10〜15cm目安、往復×n回。端部増しは“足し算”ではなく面で効かす意識。
• 確認:現場密度試験(砂置換/RI)や踏査で沈み・音を評価。平板載荷を併用すると地耐力の裏付けが取れる。
3. 防湿シート(地中蒸気の遮断)💧
• 目的:床下・基礎下からの地中蒸気を抑制し、結露・カビ・腐朽のリスクを断つ。
• 仕様:厚0.15〜0.2mm以上、重ね幅200mm以上、専用テープで気密。貫通部は補修パッチ+二重テープ。
• 運用:敷設後の動線規制。ピンホールはその日のうちに補修。撮影は俯瞰+重ね寸法見える角度で。
4. 捨てコンクリート(“基礎の基礎”)
• 役割:墨出しのための平滑面、かぶり確保、型枠の座りを提供。
• 施工:薄層打設→トンボ均し→コテ。レベルピンで面を作り、踏み抜き禁止を徹底。
• 打継ぎ面:後工程の立上りに向け、レイタンス除去と清掃で健全化。
5. 写真と台帳📸
• 撮る順:全景→中景→近接(スケール当て)。砕石厚、転圧機の設定・回数、シート重ね・補修前後、捨てコンレベルはキャプション付きで。
• クラウド:図面座標とリンクし、後から“測点で検索”できるようにタグ設計。
6. NG→是正🙅♂️→✅
• 砕石の過転圧:支持地盤まで押し込み逆に沈下。→層厚・回数・機械重量の再設定。必要なら改良or表層置換。
• シート破れ放置:床下に点状の湿気経路。→補修テープ即時、巡回担当を決める。
• 捨てコン波打ち:かぶり不足・型枠隙の原因。→レベルピンで事前に面を作る。
7. さらに一歩:地業に効く“ひと手間”🧩
• ジオテキスタイル:泥上がり防止に敷設すると粒調の効きが向上。
• 目地逃げ:大面積は伸縮目地で温度応力を逃がす。
• ラドン対策:地域によりガス抜き配管+高気密シートを検討。
8. ケース:雨上がりの地業🌧️
• 前夜の豪雨で含水比が高い。午前は日干し+表面掻き取り、午後に薄層敷均し→軽振動転圧へ切替。平板載荷で沈下曲線を確認のうえ次工程へ。
9. チェックリスト ✅
☐ 砕石の粒度・産地・搬入量の記録
☐ 層厚・転圧回数・機械種と設定
☐ 端部・隅角の当て打ちと浮き解消
☐ 防湿シートの重ね・補修と動線規制
☐ 捨てコンのレベル・打継ぎ面清掃
まとめ:地業は“後戻りをなくす防波堤”。面・密度・気密の3点を揃えれば、以降の工程がするっと進みます。次回は、その上に描く墨出しと寸法管理へ!✍️
追補:地業の“平面×密度×気密”を上げる秘訣 🔧
• 粒度分布はふるい結果で確認、細粒分過多は締固め不良の温床。受入時に産地証明とセットで保管。
• 端部の浮きはタンパー当てで殺す。角は二方向から当て、踏査で音と沈みを感じる。
• 防湿シートは貫通補修パッチ+二重テープ、重ね200mm以上。動線規制でピンホールを防ぐ。
• 捨てコンはレベルピンと等高線墨で面を作り、踏み抜き禁止を明示。📐
成功例
• 豪雨翌日:午前日干し→表面掻取、午後薄層敷き→軽振動、夕方平板載荷でOK判定。🌤️
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